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ロジック優先はマーケティングに非ず。欲望の錬金術 伝説の広告人が明かす不合理のマーケティングの書評・レビュー

こんにちは!なっしー( @megane_toushi )です。

資産形成を目的に、日本株、米国株など様々な金融商品への投資にチャレンジしています。学んだことや成果をブログにアウトプットして充分な利益が出せるよう日々勉強中です!

経済誌などでも取り上げられていて、魅力的なタイトルの「欲望の錬金術」を読みましたのでレビューです!

目次にでっかく書かれていますが、本書が伝えたい結論は、

ロジカルであることを少しやめてみる

の1点です。

最初から最後まで著者のマーケティング経験からいかにロジカルではない選択が奏功してきたか、の説明が続きます。

正直似たような話の例えがいろいろな伝え方で並べ立てられていて、一つ一つは確かに参考になるのですが、くどいです

文字数を稼いでいるような印象を受けます。

レッドブルはまずい。なのに売れている。

レッドブル、知らない人はほとんどいないですよね。

わたしも美味しいとは感じないのに飲んでいたうちの1人です。

栄養ドリンク感覚ですよね。レッドブルが登場するまではリポビタンDでしたが、いつのまにか遅くまで残業するときなどはレッドブルを飲むのが当たり前になりました。

長時間労働している同僚への差し入れもレッドブルです。

なぜまずいのに売れるのか?

小さい缶に入れられ、何やら飲みすぎるとやばそう、だからきっとまずくても効果が高いんだ!と思わすようなマーケティングが行われているわけです。

だからまずいのに売れる。

人の購買意欲はロジックでは動かない例として本書の序盤や終盤で著者が説明に利用している。人間の行動は時としてばかばかしいと

他にもマーケティング上の面白い話が山程書かれています。そのうち興味深い話が2つありましたので簡単にご紹介します。

購入を迷っている方は、この手の話が最初から最後までずっと書かれている本だと思ってください。

鉄を黄金と同じ価値にする

プロイセンでの実話として紹介されます。

戦争のため黄金が必要だったプロイセンの国王は、上流階級の人々に黄金のアクセサリーを差し出すようお願いします。

代わりに、国に奉仕したことを表す文字が刻まれた、同じ形の鉄のアクセサリーをもらえる、というのです。

愛国心をくすぐり、他人にそれをアピールしたい人たちはせっせと黄金を鉄に変えるのでした。

面白い話ですね。

つまり価値の提供は自分の判断ではなく受けて次第だということです。

受けてが納得すれば鉄は黄金の価値になる。そのモノ自体ではなく意味が価値を生む。

昨今イミ消費という言葉が出てきていますがそんなことは大昔からあったということですね。

手間が増えると売れる

料理の話です。普通は「簡単手間いらず」の方が売れると思いますよね。

1950年代にアメリカで、「水を加えて混ぜてオーブンで焼くだけ」で作れるホットケーキミックスが販売されました。

全然手間が掛からないのに売れない。

なぜか。

分析した人は頭がいいですね。手間が掛らなすぎが原因だったんです。

つまり、簡単に作れすぎてそれを買う主婦が手抜きをしていると思われたくないがために売れない、ということです。

その後、卵を1つ加える工程をプラスしたところどうなったと思います?

そうです、売れたんです。

あきらかに最初に販売された手順の方が簡単なのに、です。

卵1個でも、努力を付け加えることによってそのことに注力したという自負が生まれるわけです。

これは今日では「イケヤ効果」と呼ばれていて、イケヤは積極的に手間が掛かるように商品を販売しています。(それと原価下げる目的もありますね)

あとがき

というように、人は手間が嫌いだろうとか、美味しいものじゃないと売れない、というような経験則から導き出された方法だとしても、少しは無視して別の視点で捉えるのもいいですよ、という話が続きます。

普通なマーケティングをしていたら結果は普通です。

イノベーションは極端な考えのときに生まれる例として「サンドイッチ伯爵」の話も紹介されています。

サンドイッチという食べ物は、賭け事が好きすぎてやりながら食事を取りたかったサンドイッチ伯爵が考案したのだとか。

実に素晴らしいイノベーション!

食事はナイフとフォークで食べるもの、という発想に捕らわれていたらサンドイッチは生まれず、ハンバーガーも無かったことでしょうね。

著者の経験値が凄いです。

いったいどれだけの企業でマーケティングに関わって、しかも成功に導いてきたのでしょう。

日本の数歩先を行っているアメリカの事例をこれでもかと読める良著でした。